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院長ブログ

むし歯はどうしてできるの?

むし歯はズバリ感染症です。お口の中には300種類から500種類もの細菌が存在し、その中で、もっとも強力なむし歯菌がストレプトコッカス・ミュータンス菌です。

ミュータンス菌は、もとからお口の中に存在するものではありません。また、むし歯菌は歯のような硬いところにしか住めないので、口の中に歯が生えていなければ生きていけません。そのため、歯が生えてくるまでの生後6ヶ月前の赤ちゃんはむし歯菌を持っていません。では、なんでむし歯になってしまうのでしょうか?

むし歯になりやすい子って?

前述のように、赤ちゃんはむし歯菌を持っていません。「むし歯菌」は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在せず、乳幼児期に周囲の大人たちの口の中の菌が“唾液”を介して感染(伝播、定着)するといわれています。

むし歯菌は歯の表面に付着する性質があるため、歯が生えないうちは口の中に入ってきても(伝播)、住み着くこと(定着)ができないので、むし歯のリスクはありません。同時に、むし歯菌が歯の表面に住み着くためには、砂糖の存在が必要です。むし歯菌は、砂糖を栄養源として利用して酸を作るばかりでなく、粘着性の高い物質を作るので菌が歯に付着して住み着きやすくなります。このようにむし歯菌の定着が起こると、むし歯のリスクが出てきます。母乳や離乳食中心の食生活で、砂糖を含む飲食物をとらないうちは、むし歯のリスクもほとんどないと考えられます。ところが、乳歯が生えてくる6ヶ月頃からミュータンス菌絵の感染が始まり、乳歯が生えそろう生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月頃にかけてむし歯菌の感染数が増えていることがわかっています。

生後1歳7ヶ月ってどんな時期でしょう? 離乳食を卒業して、大人たちと一緒に食事をする楽しさを感じられるようになる時期ですね。ただ、乳歯が奥歯まで生えそろったこの時期は、むし歯の原因となるミュータンス菌が親子感染しやすい「感染の窓」と呼ばれる要注意期間なのです。「感染の窓」に注意して、3歳までにむし歯菌に感染しなければ大人になってからもむし歯になりにくいとされています。予防歯科で有名なイエテボリ大学の研究では、2歳前に感染した子供のほうが、2歳以降に感染した子供よりも虫歯が多い傾向があることが報告されました。2歳までに虫歯菌の感染がなかった子供が4歳になったときの虫歯の本数はわずか0.3本でしたが、2歳までに虫歯菌の感染があった子供が4歳になったときには、虫歯の本数は5本もありました。虫歯の本数になんと15倍以上もの差があることから、感染の時期が早いほど虫歯はできやすくなることが分かります。

むし歯にならない子にするために

むし歯菌が親から子へうつる原因として、
・「口うつしで食べ物を与える」
・「親と同じ歯ブラシを使うこと」
・「親が使っているスプーンやお箸で食事を与えること」

と言われています。

・食べ物をフーフーして与えること
・赤ちゃんへのほっぺにキス(私は口でもあまり問題ないと思いますが、唾液がつくこともあるので、ほっぺが無難でしょう)

この2点に関しては、あまり神経質にならなくても良いかなと思いますが、気になる方は避けた方が良いでしょう。

ただし、むし歯菌の場合、感染症のウイルスなどとは違って、「1回口うつしをしたから」「うつったから」といってすぐに「むし歯になってしまう!」と心配することなありません。
実際にむし歯になるかどうかは、「甘いものの摂取頻度」「適切な歯みがき」といった生活習慣が複合的に関わることで決まります。
むし歯菌(ミュータンス菌)の伝播を避ければ、確かにむし歯は防げるかもしれませんが、一般の病原菌の感染予防のように厳密に考えすぎると、一緒に食事を楽しんだり、子どもとのスキンシップが少なくなってしまいます。あまりに神経質になりすぎるよりは、むし歯菌の伝播のリスクを減らすことを考えましょう!歯の汚れ(歯垢)やむし歯の穴の中のむし歯菌が、口の中に溜まった唾液の中に混じってしまうため、 むし歯が多く口腔ケアが不良な人の唾液は、伝播のリスクが高くなるわけです。、周囲の人たちが歯みがきをしっかり行ったり、むし歯の治療をきちんと行って、唾液中のむし歯菌の数を減らしておくことが重要です。

 

むし歯になりやすいかどうかは、口内環境で決まります。 むし歯菌の感染を予防するためには、子供だけ・両親だけではなく、一緒に住む家族みんなで行うことが大切です。赤ちゃんがいる&予定があるご家庭は、歯医者さんに行ってお口をきれいにしましょう!

 

 

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